問題
使用電圧300[V]以下の低圧屋内配線の工事方法として、不適切なものは。
イ.金属可とう電線管工事で、より線(600Vビニル絶縁電線)を用いて、管内に接続部分を設けないで収めた。
ロ.フロアダクト工事で、電線を分岐する場合、接続部分に十分な絶縁被覆を施し、かつ、接続部分を容易に点検できるようにして接続箱(ジャンクションボックス)に収めた。
ハ.金属ダクト工事で、電線を分岐する場合、接続部分に十分な絶縁被覆を施し、かつ、接続部分を容易に点検できるようにしてダクトに収めた。
ニ.ライティングダクト工事で、ダクトの終端部は閉そくしないで施設した。
解答
ニ.ライティングダクト工事で、ダクトの終端部は閉そくしないで施設した。
解説
各工事の施工方法の決まりを知っておかなければ解けない問題です。
選択肢を1つずつ確認していきましょう。
イ 金属可とう電線管工事は、原則はより線を使用し、管内に接続点を設けません。よって適する。
金属製可とう電線管は、振動がある電動機などの配線で使われることが多いです。可とう性がある=曲げることができるということで、振動による緩み・金属疲労を可とう性で吸収できるイメージで覚えればいいかもしれませんね。
- OWを除く(屋外用ビニル絶縁電線…アウトドアウェザープルーフ)、絶縁電線が使える
- 原則はより線を使う
- 曲げの内側半径は、管内径の6倍以上(取り外せれば3倍以上)
- 300V以下はD種接地工事(管の長さが4m以下なら接地工事を省略可能)
ロ フロアダクト工事は接続点が容易に点検できるようにしなければなりません。よって適する。
フロアダクトはコンクリートフロアの下に埋め込むもので、ビルなどでよく見られます。床から電源がとれるようにする目的です。
ハ 金属ダクト工事は、接続点が容易に確認できるときは、電線分岐の接続点を設けられます。よって適する。
- 接続点を容易に確認できるときは、電線分岐の接続点を設けられる
- 支持点の間隔は3m以下(原則)
- ダクトに収める電線の総断面積は、ダクト断面の20%以下(電線の総断面積は被覆を含む)
- 300V以下はD種接地工事
- ダクトの肉厚は1.2mm以上、幅は5cm超
二 ライティングダクト工事の終端部は閉塞する必要があります。よって、閉塞しないで施工するのは誤り。
- 支持点の間隔は2m以下
- 開口部の向きは下向き(原則)
- 終端部はエンドキャップで閉塞する
- 通常はD種接地工事。ただし、対地電圧150V以下で、長さが4m以下なら接地工事を省略できる